「勉強は大丈夫なの?」
「そろそろ本気で頑張らないと間に合わないよ」
「いつまでスマホを見ているの?」
子どもの将来が心配だからこそ、つい口にしてしまう言葉。
ところが、返ってくるのは、
「わかってる!」
「今やろうと思ってた!」
「もう、うるさい!」
そんな言葉ばかり。
心配して声をかけただけなのに、いつの間にか親子喧嘩になってしまう。
そして、言い合いが終わったあとに「また怒ってしまった…」と落ち込んでしまう保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私は学習塾を経営し、これまで多くの受験生や保護者の皆様と向き合ってきました。
その中で感じることがあります。
子どもの受験を心配する気持ちが強いほど、親子の間ですれ違いが生まれてしまうことがあるということです。
今回は、高校受験を控えたお子様との接し方に悩んでいる保護者の皆様に、私自身の考えをお伝えしたいと思います。
1.なぜ受験生の子どもと親は喧嘩になってしまうのか?
保護者の皆様は、お子様の将来を心配しています。
「このままの成績で志望校に合格できるのだろうか」
「今から頑張れば、まだ間に合うのではないか」
「後悔してほしくない」
そう考えるのは、当然のことだと思います。
一方で、子ども自身も何も考えていないとは限りません。
学校の先生から厳しいことを言われたり、模試の結果を見て落ち込んだり、周囲の友達と自分を比較して焦ったり。
表には出さなくても、不安を抱えている子どもはいます。
そんなとき、保護者から「勉強しなさい」と言われると、子どもは自分の努力や不安を理解してもらえていないと感じてしまうことがあります。
親は心配している。
子どもも不安を感じている。
本当は同じ方向を向いているはずなのに、その気持ちがうまく伝わらない。
これが、受験期の親子喧嘩の一つの原因ではないかと私は考えています。
2.「勉強しなさい」と言われるほど、勉強したくなくなる?
「勉強しなさい!」
この言葉を一度も使わずに子育てをするのは、なかなか難しいことだと思います。
私自身、塾で生徒に声をかけるときには、言葉の選び方を意識しています。
例えば、勉強が進んでいない生徒に対して、
「なんで勉強していないの?」
と聞くのと、
「今日はどこまで進められそう?」
と聞くのでは、受け取られ方が変わることがあります。
前者は、子どもによっては責められていると感じるかもしれません。
一方、後者は、これから何をするのかを考えるきっかけになります。
もちろん、優しく声をかければ必ず勉強するようになるわけではありません。
ときには厳しく伝えなければならない場面もあります。
ただ、私は子どもを動かすことだけでなく、子ども自身が考えて行動できるようになることを大切にしています。
受験勉強は、保護者が代わりに頑張ることはできません。
最後に机に向かい、問題を解き、自分の弱点と向き合うのは子ども自身だからです。
だからこそ、自分で行動する力を少しずつ育てていくことが大切なのだと思います。
3.受験生の親が知っておきたい5つの接し方
① 結果だけでなく、昨日より成長した部分を見つける
模試の点数が思うように上がらなかった。
志望校の判定が厳しかった。
そんなとき、どうしても足りない部分に目が向いてしまいます。
しかし、結果だけでは見えない成長もあります。
例えば、
- 前回できなかった計算問題が解けるようになった
- 苦手だった英単語を覚えられるようになった
- 自分から机に向かう日が増えた
- わからない問題を質問できるようになった
こうした小さな変化も、大切な成長です。
「まだこれしかできないの?」
ではなく、
「前よりできるようになったね」
と伝えてみてください。
もちろん、褒めるために無理に良いところを探す必要はありません。
実際にできるようになったことを、具体的に認めることが大切です。
子どもは、自分の努力を誰かが見てくれていると感じることで、もう一度頑張ろうと思えることがあります。
② 勉強の話をしない時間も大切にする
受験が近づくと、家庭での会話が勉強や進路の話ばかりになってしまうことがあります。
「今日は何時間勉強したの?」
「模試の結果はどうだった?」
「志望校はどうするの?」
もちろん、どれも大切な話です。
しかし、毎日の会話が勉強のことばかりでは、子どもにとって家庭が落ち着けない場所になってしまうかもしれません。
学校であった出来事。
友達との何気ない話。
好きな音楽やスポーツの話。
そんな普通の会話も、ぜひ大切にしてほしいと思います。
受験生である前に、一人の子どもです。
家庭が安心して過ごせる場所であることも、受験期には大切なのではないでしょうか。
③ 子どもの話を最後まで聞いてみる
子どもが「勉強したくない」と言ったとき。
すぐに「そんなことを言っている場合じゃないでしょう」と返したくなるかもしれません。
しかし、そこで一度、
「どうしたの?」
「何か困っていることがある?」
と聞いてみることも大切です。
勉強したくない理由は、子どもによって違います。
何から始めればよいのかわからないのかもしれません。
頑張っても点数が上がらず、自信を失っているのかもしれません。
単純に疲れている場合もあります。
理由がわからなければ、適切な声かけも難しくなります。
大切なのは、すぐに答えを出そうとすることではなく、まず子どもの気持ちを理解しようとすることです。
④ 見守ることと、何もしないことは違う
「子どもの自主性を大切にしましょう」
そう言われても、保護者としては不安になると思います。
何も言わなければ、本当に勉強しなくなるのではないか。
スマホばかり見て、時間が過ぎてしまうのではないか。
その心配もよくわかります。
私は、見守ることと放任することは違うと考えています。
例えば、
「毎日2時間勉強しなさい」
と一方的に決めるのではなく、
「今週は何を終わらせようか?」
と一緒に考えてみる。
そして、決めたことができたかどうかを、週末に振り返る。
約束を守れなかった場合には、責めるだけで終わらせず、何が難しかったのかを確認する。
必要に応じて、スマホの使用時間や家庭学習のルールを決めることも大切です。
ただし、そのルールは子どもにも理由を説明し、できるだけ納得したうえで決めていきたいものです。
子どもを管理するための約束ではなく、自分で行動できるようになるための約束にする。
私は、そんな関わり方が大切だと思っています。
⑤ 親子だけで解決しようとしなくてもいい
実は、これが最もお伝えしたいことかもしれません。
保護者が何度言っても聞かなかったことを、学校や塾の先生から伝えられると、子どもが素直に受け止めることがあります。
もちろん、必ずそうなるわけではありません。
ただ、親子だからこそ感情的になってしまうこともあります。
保護者の皆様は、毎日お子様と向き合っています。
だからこそ、勉強のことまで一人で抱え込む必要はないと思います。
勉強の進め方がわからない。
志望校について親子で意見が合わない。
声をかけるたびに喧嘩になってしまう。
そんなときは、学校の先生や塾の先生など、家庭以外の大人を頼っていただきたいと思います。
子どもにとっても、親以外に相談できる大人がいることは、大きな支えになるはずです。
4.勉強しない子どもを、いつまで待てばいいのでしょうか?
ここまで読んで、
「子どもの気持ちを尊重することはわかりました。でも、受験まで時間がないんです」
と思われた保護者もいらっしゃるかもしれません。
その通りだと思います。
高校受験には期限があります。
どれだけ子どもの気持ちを大切にしても、入試の日程が延びるわけではありません。
だからこそ、私はただ待つだけではいけないと考えています。
必要なのは、今の状況を正しく理解することです。
現在の学力はどのくらいなのか。
志望校の合格に向けて、何が不足しているのか。
残された時間で、どの教科をどのように勉強するべきなのか。
こうしたことを具体的に整理する必要があります。
例えば、数学が苦手な生徒に対して、ただ「もっと数学を頑張ろう」と言っても、何から始めればよいのかわかりません。
しかし、
「まずは計算問題を毎日10問解こう」
「今週は一次関数の基本問題を復習しよう」
と具体的な行動に変えることで、取り組みやすくなります。
もちろん、志望校との学力差によっては、進路を慎重に考えなければならないこともあります。
それでも、今できることを一つずつ積み重ねることには意味があります。
不安をぶつけ合う時間を、これから何ができるのかを考える時間に変えていきたい。
私はそう思っています。
5.受験の結果以上に、子どもに残してあげたいもの
高校受験は、子どもにとって大きな挑戦です。
希望する高校に合格できれば、もちろん素晴らしいことです。
しかし、すべての子どもが第一志望校に合格できるわけではありません。
努力しても、思うような結果にならないことがあります。
それでも、受験を通して得られるものは、合格という結果だけではないと私は考えています。
苦手なことから逃げずに取り組んだ経験。
思うようにいかなくても、もう一度挑戦した経験。
自分の将来について真剣に考えた経験。
そして、苦しいときに自分を支えてくれた人がいたという記憶。
そうした経験は、高校に進学したあとも、きっと子どもの支えになると思います。
私は、生徒たちに勉強ができるようになってほしいと思っています。
しかし、それと同じくらい、自分の力で考え、行動し、困難を乗り越えられる人になってほしいと願っています。
だからこそ、受験の結果だけで子どもの努力や価値を判断してほしくありません。
最後に|受験は、親子で戦うものではありません
子どもの将来を心配する。
少しでも良い方向に進んでほしいと願う。
それは、保護者の皆様がお子様を大切に思っているからこその気持ちだと思います。
ただ、その思いが強すぎると、いつの間にか親子で向き合うのではなく、対立するようになってしまうことがあります。
そんなときは、少しだけ考えてみてほしいのです。
本当に望んでいるのは、今日あと1時間勉強させることでしょうか。
それとも、子どもが自分の将来に向き合い、自分の意志で一歩を踏み出せるようになることでしょうか。
私は、後者を大切にしたいと思っています。
今日、勉強のことで喧嘩をしてしまったとしても、明日からの関わり方を変えることはできます。
「昨日は少し言いすぎたね」
「心配だったんだよ」
「一緒に考えていこう」
そんな一言から、親子の会話が変わることもあるかもしれません。
受験は、親子で戦うものではありません。
子どもが自分の未来に向かって挑戦する姿を、周りの大人たちが一緒に支えていくものだと思います。
そして、いつか子どもが大人になったとき。
受験で何点取ったかは忘れてしまっても、
「あのとき、お父さんやお母さんが自分を信じてくれていた」
そんな記憶が残ってくれたら、私はそれも大きな価値のあることだと思います。
受験は、子どもだけでなく、保護者にとっても大変な時期です。
どうか、一人ですべてを抱え込まないでください。
私たちも、子どもたちの未来を支える大人の一人として、一緒に考えていきたいと思っています。
お子様の勉強や進路についてお悩みの保護者の皆様へ
ロックブックゼミ古川教室では、テストの点数や志望校の合格だけでなく、生徒一人ひとりが自分で考え、行動できるようになることを大切にしています。
「家庭で勉強の話をすると喧嘩になってしまう」
「本人にどう声をかければよいかわからない」
「今の成績から、どのように勉強を進めればよいのか相談したい」
そんなお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。
現在の学習状況や本人の気持ちを大切にしながら、これからできることを一緒に考えていきます。
ロックブックゼミ古川教室(宮城県大崎市古川)
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