実力テストを勉強する必要はあるんですか?佐沼中学校のとある生徒からの質問

「実力テストなんて関係ない」——そう思っていた佐沼中の3年生の話

「実力テストなんて、成績に入らないんでしょ?だったら勉強しなくてもいいや。」

佐沼中学3年生の亮太(仮名)は、そんなふうに思っていた。定期テストなら内申に関わるけど、実力テストは違う。友達もみんな「そこまで頑張る必要ない」と言っていたし、実際、2年生のときはほとんど勉強しないまま受けていた。でも、ある出来事が彼の考えを大きく変えることになる——。


高校受験まであと5ヶ月——自分だけが焦っている

3年生の夏休みが終わり、2学期が始まった。クラスの空気は変わり始めていた。みんなが口をそろえて「受験やばい」「そろそろ勉強しなきゃ」と言い始めていた。

亮太も「そろそろ本気出さないとな」と思っていたが、何から始めればいいのかわからなかった。とりあえず数学の問題集を開いてみた。

……解けない。

比例・反比例?連立方程式? …全然わからない。

「こんなの2年生のときにやったじゃん」と思いながらも、まったく思い出せない。

そのとき、隣で勉強していた友達のノートをのぞくと、すらすらと問題を解いていた。亮太は驚いて聞いた。

「お前、それ普通に解けるの?」

「うん、前の実力テストのときに復習したからな。」

その言葉に、亮太はショックを受けた。

実力テストをちゃんと勉強していた人は、今になって困っていない。
勉強しなかった自分だけが、今になって焦っている。


成績が上がる人と、上がらない人の違い

その日の塾の授業後、亮太は先生に言った。

「先生…俺、もう受験勉強始めないとヤバいですよね。でも、何からやればいいかわからないんです。」

先生はゆっくりとうなずきながら、こう言った。

「亮太、君は今まで『実力テストは関係ない』って思ってたよね。でも、君の友達はどうだった?」

「……たしかに、実力テストの勉強をしてたやつは、今、余裕があります。」

「そうだよね。成績が上がる生徒は、『今の勉強が未来につながる』ってちゃんと理解している。逆に、成績が伸びない生徒は『今やらなくても大丈夫』って、ずっと先送りにする。亮太はどっちになりたい?」

亮太は、先生の言葉にハッとした。

今までの自分は、「今やらなくても大丈夫」とずっと思っていた。でも、その結果、今になって焦っている。

これからも同じことを繰り返せば、受験本番でまた「もっと早くやっておけばよかった」と後悔する。

そのとき、亮太の中で何かが変わった。

「俺、次の実力テスト、ちゃんと勉強します。」

そう言った亮太の目には、少しだけ決意が宿っていた。


本気になった佐沼中の生徒の変化

次の日から、亮太は塾の自習室に毎日来るようになった。今までは「部活終わって疲れたし」「今日はいいや」とサボりがちだったが、もう言い訳をしないと決めた。

・1日1時間は必ず理科・社会を復習する
・わからない問題はそのままにせず、すぐに先生に聞く
・テスト前だけでなく、毎日コツコツやる

そう決めて行動し始めると、不思議なことが起きた。

問題が解けるようになってきたのだ。

今までは「無理だ」と諦めていた英語の長文も、「この単語見たことある」と思い出せるようになった。数学の関数も、「前は意味不明だったのに、解き方がわかる!」と手応えを感じるようになった。

そして、迎えた実力テスト本番——。

結果は、英語+38点、数学+29点。

「やればできるじゃん。」

答案を見たとき、亮太は思わず小さく笑った。

そしてそのとき、ようやく気づいた。

「実力テストは、ただのテストじゃない。受験に向けて、自分を強くするためのチャンスだったんだ。」


「あのとき頑張ってよかった」と思える未来へ

「もっと早くやっておけばよかった」

この言葉は、毎年のように中学3年生が口にする。

でも、この言葉を言うかどうかは、今の自分の行動次第。

受験に向けて準備を始めるのが早ければ早いほど、未来の自分は楽になる。
そして、遅ければ遅いほど、未来の自分は苦しむことになる。

亮太のように、「もう遅い」と思ったときでも、行動すれば変わることができる。
でも、できるならばもっと早くから気づいてほしい。

「もっと早くやっておけばよかった」と後悔するか、
「あのとき頑張ってよかった」と笑うか——

その選択は、今のあなたにしかできない。

さあ、今から変わろう。