<登米市版>看護師を目指している佐沼高校の受験生
彼女の趣味はInstagramで最近のファッションのトレンドをおいかけること。暇さえあれば「何かないかな~?」とスマホをいじる毎日。
そんな彼女の物語。
彼女には小さい時から夢がありました。それは看護師。
彼女は小さいころ体が弱く、よく病気しがちの子供でした。そのため、長期休みの時は必ず検査入院しなければいけませんでした。
小さい子供が病院で一人でいることは簡単なことではありません。
当然、お父さんも、お母さんも、仕事があるので24時間ずっとそばにいてあげることができません。
そんな状況の中ずっと寄り添ってくれた看護師さんがいました。
彼女を献身に支えた看護師との出会い
毎日、昼食を食べ終わった後「先生には内緒ね」といいながら、キャンディーをくれる看護師さん。
いつも笑顔で話しかけてくれる黒い髪がきれいな看護師さん。年齢は20後半くらいだったでしょうか。
彼女はこの看護師さんが本当に好きでした。
そして、いつからか、このような笑顔でやさしい看護師になりたいと思うようになりました。
小学校に入り体が少しづつ強くなり、長期の休みの時でも入院する必要はなくなり定期健診で年数回、病院に行くだけになりました。
中学校に入りさらに体が強くなり、もうほとんどこの病院に行くことはなくなりました。
佐沼中学校の課題「将来の夢」
そんなある日、中学校の課題作文がありました。お題は「あなたの将来の夢」さらに、その職業についている人にインタビューするという課題作文でした。
彼女は「うわ~、めんどくさい課題だな~どうしようかな~」そんな風に考えていた時、「あそうだ!」彼女の頭の中に浮かんだのは「昔お世話になった看護師さん」
中学校に入ってから彼女はあの看護師にあっていません。
「私が急にいったら、驚くかな?会いたいな~」
昔を思い出すと、今でもわくわくしてきます。あのキャンディーをくれた看護師さん。その彼女にあえると考えただけでウキウキしてきます。
彼女は慣れ親しんだ病院ということもありアポなしで病院にいきました。
中学生の行動力にはなかなか驚かされます。
病院で待ち受けていた現実
彼女は病院につきました。受付には今まで見たことがない人が座っていました。
彼女は失礼の無いように受付の人に話かけます。
「あっ、昔この病院でお世話になったものです。看護師の○○さんいらっしゃいますか?」
すこし沈黙があった後「・・・個人情報なので教えることはできません」
「そうですか・・・。」
救いの手
彼女は肩を落とし帰ろうとした瞬間、遠くの方から彼女の名前を大声で呼ぶ看護師がいました。
逆光のせいで声がする方を見ても顔がわかりません。その顔が近づいてきて、わかりました。
そこにいたのはすこし体格がよい、声の大きい婦長さんでした。
「あら~、久しぶりね。全然最近病院に顔みせないから、今日どうしたの?どこか痛いの?」
相変わらずこの婦長さんは声が大きい。
病院内にいた少し小さめのフロントには、数人の患者とその関係者が座っており、その人たちの視線は私にそそがれました。
すこし恥ずかしっくなってきた彼女。
でも、嫌な気持ちにならない不思議にな人。それが婦長さんだった。
そして私は持ってきた課題を婦長さんに見せた。
「あら~学校の課題作文で取材にきたの~。えらいね」
私は昔お世話になった髪のきれいな看護師さんいますか?と尋ねました。
すると返ってきた返事があまりに意外過ぎて、、、
現実を知る
持っていた、レポート用紙とペンをその場に落とし、何が起きているのかわからない状況になりました。
「あ~、○○さんね、彼女数年前に病気して、今は看護師やっていないの。」
「えっ、そうですか。じゃ今どこにいるんですか?」
あの大声だった婦長は下を向きながら続けた。
「彼女、昨年、亡くなったわ。」
「え?」
あの優しかった。黒髪がきれいだった看護師さんが数年前に亡くなっていた。
どうやら闘病しながら私の担当の看護師をされていたそうです。
私はあふれ出る涙を止めることはできませんでした。そこにいた人の視線など気にせず涙をながしました。
そして婦長さんがいいました。
「あなた、お昼ご飯をたべたあと、キャンディーもらってたでしょ。あなたがそのキャンディーをおいしそうに食べる姿が、私の喜びなの。って彼女ずっと言ってたわ」
「あなたが退院してから病状は一気に悪化してね。。。」
「・・・そうですか」
鼻をすすりながら、精一杯の声で私は答えました。
そしてこの時彼女はこころの中で決めました。
「私は看護師になり多くの人を幸せにする」
佐沼高校から看護師の大学合格を目指し日々勉強
自分の夢を実現させるために日々自分自身と戦っています。
数々の困難に立ち向かいながらも、彼女は合格するという希望を抱いています。
おそらく今後うまくいかない時がくるでしょう。
それでも彼女は立ち上がると思います。
不思議です。
彼女を話をしていると私自身とてもパワーをもらえます。
次に変われるのはあなたかもしれない。